観音堂の平面形態は方三間で周囲に縁を持ちます。正面の産間と側面の手前市間を桟唐戸として、内法貫上には弓形の欄間を設け、側面の中央一間に花頭窓を配しています。柱は粽柱で軒は一軒扇垂木となっており、屋根は長刀反をもつ入母屋造で、建立当時は茅葺でしたが、現在は茅葺様銅板葺に改められています。関東地方における禅宗様式の代表的な建造物の一つです。堂内の本尊背後におかれている鉄製灯篭は室町期に流行した形式を伝えています。
また、観音堂内には、中村芝翫(のちの四代目中村歌右衛門)の「九変化」の扁額が保存されている。これは、鳥居派五代目清満の作と伝えられており、江戸の小高亀吉が江戸時代に奉納したもので演劇史上、貴重な資料となっています。