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国指定重要文化財

観音堂

観音堂 国指定重要文化財(昭和24年指定)

室町時代初期の建造物とされる観音堂の平面形態は方三間で周囲に縁を持ちます。正面の産間と側面の手前市間を桟唐戸として、内法貫上には弓形の欄間を設け、側面の中央一間に花頭窓を配しています。柱は粽柱で軒は一軒扇垂木となっており、屋根は長刀反をもつ入母屋造で、建立当時は茅葺でしたが、現在は茅葺様銅板葺に改められています。関東地方における禅宗様式の代表的な建造物の一つです。堂内の本尊背後におかれている鉄製灯篭は室町期に流行した形式を伝えています。

この観音堂は、昭和24年5月30日に国宝指定を受け、その後昭和25年の文化財保護法成立に伴い、国宝から旧国宝重要文化財となります。埼玉県内では新たな国宝に指定された建造物はないため、高倉寺の観音堂は非常に貴重な建物であると言えます。

観音堂内の秘仏と奉納品

観世音菩薩

秘仏となっている観世音菩薩像

十一面観世音菩薩

観音堂の本尊。震丹伝来の十一面観音菩薩

「九変化」の扁額

江戸三座のひとつ中村芝翫(のちの四代目中村歌右衛門)の「九変化」の扁額は、鳥居派五代目清満の作と伝えられており、江戸時代に奉納されたもので演劇史上、貴重な資料となっています。